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  • 執筆者の写真秀夫 小針

7年6カ月ぶりの高値をつけたNY金

更新日:2020年4月16日

2020/4/10


金相場は、大きく上昇。指標のNY金は中心限月の6月限が9日時点で前日比68.5ドル高の1752.8ドルまで上げ、一気に1750ドル台に達した。一時1754.2ドルの高値をつけ、2012年10月以来7年6カ月ぶりの高値を記録した。

利食い換金目的の売りや株価の大幅下落による資金調達を目的とした売りなどが一巡していることや、米長期金利の伸び悩みを意識して安全逃避的な買いが入った。またワールドゴールドカウンシル(WGC)が経済拡大、市場リスク、機会費用および勢いを含む主要なカテゴリーからの金の長期的な上昇を予測したレポートを明らかにしたことも金の上昇の一因となっている。

米連邦準備理事会(FRB)は3月23日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ量を当面無制限とする緊急措置を決定した。ゴールドマン・サックスは同日付のリポートで、「金相場の最近までの下落について2008年の動きに類似している」と指摘。FRBが同年11月に量的緩和の導入を発表すると金は上昇に転じた。

その上で、ゴールドマンサックスは新型コロナウイルスのパンデミックで市場がパニックにある今、安全資産である金を購入すべきだと顧客に推奨。「金は変曲点にあり、ゴールドマンによる1年後の目標水準である1800ドルの達成についてますます自信を深めている」とした。

これに比べ、BNPパリバはより慎重な見方だ。先週発表したリポートで、金相場の今年4~6月期の平均を1675ドルとし、同四半期にピークアウトする可能性が高いとの見方を示した。今年の金相場の通年平均は1610ドルと予想している。BNPパリバは、各国中銀の大規模な量的緩和が金相場の下値を支えるとした一方、短期的なドル高や他の資産クラスで損失が発生した際の投資家の換金売りが金の上昇を阻む要因になり得るとした。

参考までに、WGCによると、金の価格は、4つの主要なカテゴリーのドライバーの相互作用によって決定される。その4つとは、1)富と経済拡大。2)市場リスクと不確実性。3)機会費用; および4)勢いと位置付け。最初の2つは、金の長期的なパフォーマンスにおいて特に重要な役割を果たし、金を購入して投資する戦略的な理由の基礎を形成する。

宝飾品、技術、長期的な節約という形での金の需要を通じて、金価格と経済成長の間には正のつながりがある。これは、金が贅沢品や富を維持する手段としてよく使用される発展途上国で特に当てはまる。市場リスクと不確実性は、金の長期的なパフォーマンスにも等しく関連している。




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