農林水産省まとめによる今年のコメ作付意向の取組状況
- 秀夫 小針
- 2020年6月11日
- 読了時間: 3分
2020/06/11
新型コロナウイルスにより、一時はコメ不足が懸念された状況となっていたが、ここにきてコロナによる緊急対策も解除の方向にむかい、コメ市場も平穏な状況に戻りつつある。市況は、消費の構造的な減少傾向に供給がどう対応するかが急務となっているが、その供給の目安となる今年のコメ作付意向面積のまとめがこのほど農林水産省から発表された。
農林水産省が5月下旬にまとめた「都道府県別及び地域農業再生協議会別の作付意向(中間的取組状況)」によると、「令和2年産・第2回中間的取組状況は、「元年産実績と比較すると、主食用米は、前年並み傾向35県、減少傾向12県と見込まれており、全体としては前年並みが見込まれます。一方、戦略作物については、加工用米で減少傾向17県、飼料用米で減少傾向20県と複数県で減少傾向が見込まれています」という。
2月末時点からの主な変動は、主食用米が、 減少6県から12県、 前年並みが41県から35県となった。加工用米は 減少6県から17県となり、飼料用米が減少10県から20県となった。農林水産省は、「主食用米の需要量が毎年減少傾向にある中、需要に応じた生産・販売に一層取り組むことが重要」だと指摘している。
上記のとおり、4月末現在で主食用米の作付意向を「前年並み」としたのは主産地を中心に35都道府県となり、米の需要が減少するなか需給の緩和が懸念され、農水省は「需要に応じた生産・販売に一層取り組むことが重要」としている。ただし、北海道、東北、北陸などおもな主産地が前年並みとしていることから農水省は、「全体として昨年と横ばい。主食用需要が毎年10万㌧減少するなか、需要に応じた生産が一層求められている」という。
農水省は20年産の主食用需要量を昨年より10万㌧少ない717万トンと見込み、適正な在庫水準をめざすためには令和元年産の生産量726万㌧より9~18万㌧減らし、708万㌧~717万㌧とする必要があるとしている。さらに今年は新型コロナの影響で外食等の需要が落ち込む懸念もある。
令和2年度予算では水田活用の直接支払い交付金について新設措置を盛り込み、たとえば飼料用米と米粉用米について、より安定的な生産・供給につながるよう複数年契約加算を創設した。この加算額については、10アール当り1万2000円となっている。
■農水省がまとめた地域ごと・品目別の作付意向は以下のとおり。
都道府県別の作付意向(令和2年4月末現在)
(1) 各都道府県の主食用米の作付意向-令和元年産実績と比較すると以下のとおりと見込まれています。
増加傾向0県/前年並み傾向35県/減少傾向12県
(2) 各都道府県の戦略作物等の作付意向
令和元年産実績との比較による各都道府県の戦略作物等の作付意向は、以下のとおりと見込まれています。

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